ゴールボールとは?
ゴールボールは視覚に障害のある人を対象に考えられた球技で、パラリンピック特有の種目です。
1チーム3人の選手が、鈴の入ったボールを転がすように投げ合って、味方ゴールを守りながら、相手ゴールにボールを入れて得点を競う競技です。ボールがゴールに入ると1点が入ります。最後に得点の多い方が勝ちになります。選手全員が視野や視力といった障害の程度の差が出ないようにアイシェード(目隠し)をつけます。
試合時間は、前半・後半各12分間。順位を決定する試合においては、同点の場合ゴールデンゴール方式の延長戦(前半・後半3分間)があり、それでも試合が決まらなければエクストラスローが行われます。
守備側の選手がボールに触れてから、10秒以内に投げ返し、センターラインを越えなければ反則になります。
コートは6人制バレーボールコートと同じ広さのコートを利用します。
コート内の各ラインには、触ってわかるように凸凹(床とテープの間に紐が通されています)があります。
ゴールは、サッカーのゴールと同じようにネットが張られていますが、幅はサッカーより大きく9メートル、高さはサッカーより低く1.3メートルです。
ボールはバスケットボールと同じ大きさ(7号)ですが、重さはバスケットボールの2倍の1.25キログラムです。中に鈴が入っており、音が鳴るようになっています。
ボールを投げたあと、攻撃側の選手は守備側の選手に不利になるような音を出してはいけません。
タイムアウト以外は、ベンチにいる監督やコーチからコート内にいる選手へ指示を出すこともできません。
視覚以外のすべての感覚を研ぎ澄ませ、音と味方の声などを頼りにプレーをしていきます。
ゴールボールは、攻撃では起き上がって投球し、守備では時速50キロにもなるボールを寝っ転がって万歳の格好でゴールを阻止します。
寝て起きてを繰り返し、全身にボクシングのパンチを受けることにも似ていることから「静寂の中の格闘技」とも言われます。
ゴールボールのみどころ
ボールの音を消した移動攻撃や、フェイントを入れたフェイク攻撃、味方の声を頼りに味方同士でパス交換するなど、攻撃においても多様なパターンがあります。
防御側の選手は、相手選手の足音やボールの鈴音などのかすかな音を頼りにボールの出所を読み、体全体を使ってゴールを守ります。
そのため、試合は静かな環境で行われ、これが「静寂の中の格闘技」と言われるゆえんです。
審判が「Quiet Please!(お静かに)」のコールをしたら、選手に声援を送りたい気持ちはおさえて静かに見守ってくださいね。
Play の直後にゲームが動くことも
プレー『再開後』にもぜひ注目してみてください。
前後半の開始直後、タイムアウトをとった直後、選手交代直後など、防御側の選手からするとボールの出所がわからない状況でゲームがスタートするため、攻撃側としてはとてもチャンスなタイミングです。
選手自身で相手を見て、状況を打開することが難しい上、プレー中にコート外から声をかけることも禁止されているため、、コーチが直接、選手に作戦を伝えられるタイミングだったのです。