【オリオンJAPANを輝かせる星たち】日本代表スタッフロングインタビュー(3)

ゴールボール日本代表の愛称「オリオンJAPAN」は夜空に輝くオリオン座に由来します。中央に並ぶ三つ星がコート上の3選手をイメージさせるだけでなく、三つ星を取り囲む4つの星がベンチのコーチや控え選手、チームスタッフなどコート外の人々の姿をも想像させ、チーム一丸の連携が欠かせないゴールボールを体現しているからです。今回は、そんなコート外から選手を支えるチームスタッフに注目しました。

ゴールボールを多角的に可視化し、オリオンJAPANの勝利に貢献!

栃木隆宏(とちぎ・たかひろ)/日本代表チーム映像分析班

1995年11月14日広島県生まれ。中学・高校時代は卓球部で活躍。広島大学教育学部卒業後、国立障害者リハビリテーションセンター学院の歩行訓練士養成課程在学中にゴールボール関係者と出会う。2020年4月から社会福祉法人日本視覚障害者職能開発センターに勤務しながら、同年9月から現職も兼務。

徳永梨沙(とくなが・りさ)/日本代表チーム映像分析班

1998年9月16日東京都生まれ。高校時代からJGBAのボランティアスタッフとして大会運営や日本代表強化合宿などに関わる。2015年から3年間はクラブチームに所属しゴールボール選手活動も経験。日本女子体育大学進学後の2018年1月から映像分析班として活動。2023年4月から専任スタッフとしてJGBAに正式所属。
※徳永の徳は、心の部分の上に漢数字の一が入る旧字体が正式な表記ですが、ここでは文字化けを防ぐために新字体を使っています。

渡辺篤郎(わたなべ・あつろう)/日本代表チーム映像分析班

2000年9月29日愛知県生まれ。小学校から高校までは野球部で活躍。幼い頃から障害やパラスポーツに興味を持つ。順天堂大学スポーツ健康科学部時代にゴールボールと深く関わり、大学チームのプレイヤーとしても活躍。2023年4月より同大大学院修士課程に進学。現職は2022年2月より。

■オリオンJAPANでの役割とは

――映像データを競技力強化に活用することは近年、多くの競技でも行われていますが、オリオンJAPANでの「映像分析班」という役割について簡単に説明してください。

栃木:練習や試合中の選手のパフォーマンスを撮影し、その映像を分析してさまざまなデータを抽出し、チーム強化に活用するための情報を作成することが主な内容です。合宿と大会で大きく2つのパターンに分かれます。
合宿では練習プログラムごとに選手とコーチ陣は映像を見ながらフィードバックを行うので、そこに間に合うように映像データを準備します。幸い、NTC(ナショナルトレーニングセンター)には撮影カメラや映像分析、ネットワークの設備が整っているので、撮影データをクラウド上にアップロードし、別の場所の端末から映像が再生できるようにするという作業になります。

徳永:選手から「横の位置から撮影してほしい」という要望が入るので、個別のカメラで撮影し、あとから編集することもあります。

渡辺:合宿時は、何でも屋でもありますね。NTCでは撮影設備も整っているので、映像分析としては一人で担当できます。なので、他の2人はゲーム形式の練習時にレフェリーやタイマーに回るなど臨機応変に対応しています。

――では、もう一つ、大会時の役割とは?

徳永:まずは試合を撮影して、前半終了時点でゲームを「試合分析ソフト」にかけ、後半も同じように撮影してソフトにかけます。そうして得た客観的データをもとに、戦術ミーティングに必要なデータを抽出し、選手やコーチが次の試合に向けた戦術を話し合うための材料を提供する。これを、大会期間中は毎日繰り返します。

――「試合分析ソフト」とは?

徳永:2014年にJGBAが筑波大学と共同開発したソフトウエアです。

※モニター画面には加工をしています。

栃木:動画を見ながら試合中のすべての投球内容を入力すると、誰がどんな球種をどのコースに投げているかといったデータや投球の軌跡がグラフ化されたり、必要なシーンだけを抜粋して再生できたりします。

――なるほど、興味深いですね。データ分析についてはのちほど、もう少し詳しく聞かせてください。

■ゴールボールとの出合いは、三人三様

――改めて、3人がゴールボールと関わるようになり、今の役割を担うようになった経緯を教えてください。映像分析班で一番キャリアが長いのが徳永さんですね。

徳永:高校1年の担任が男子代表元監督の池田貴さんで、2014年のジャパンパラ大会のボランティアとして誘われたのがきっかけです。そのときは観戦だけだったのですが、初めて見たゴールボールにすごく感動して、翌月の合宿からボランティアとして参加させていただくようになりました。最初はゴールジャッジやタイマー、給水係などをやっていました。

――ゴールボールのどんな点に感動したのですか?

徳永:それまで私は視覚障害者との接点がなかったので、まず単純にスポーツをしていることに驚いて、かつパフォーマンスのすごさを感じました。ボランティアは最初、クラスメイト6~7人くらいで始めて、今残っているのは私一人です。競技の面白さに加え、選手もスタッフも素敵な人が多くて、そこに惹かれています。

――映像分析班としての活動は2018年からですね。徳永さんも先輩から役割を引き継がれたのですか?

徳永:いえ、以前は日本パラリンピック委員会(JPC)から派遣されたIT系のスタッフが担当されていました。私が入ったのは協会内で映像分析の担当者を養成していこうとしていたタイミングだったので、JPCの方から引き継ぎました。当時は私以外にもいろいろ兼務しながら関わっていましたが、少しずつ整備されていき、今の3人体制になりました。パソコンの知識もほとんどなく、最初は大変でしたが、市川(喬一総監督)さんが育ててくださって、何とかここまでこれました。

――そんな歴史があったのですね。次に加わったのは栃木さんですね。

栃木:はい。ゴールボールと出会ったのは国立障害者リハビリテーションセンター学院で歩行訓練士の養成課程で学んでいた時代で、当時、同センター職員の中にJGBA関係者の江黒(直樹)さんがいらして、お手伝いを始めたことがきっかけです。僕は元々、大学で特別支援教育を専攻し、ICT(情報通信技術)を活用するゼミを選んだことから視覚障害と関わるようになり、歩行訓練士の資格取得も目指した、という流れになります。

――栃木さんは情報技術系のバックグラウンドをお持ちなんですね。

徳永:3人の中では一番、テクノロジーに強く、頼りにしています。

――心強い存在というわけですね。栃木さんは2020年9月からJGBAに加入されています。

栃木:はい。東京パラリンピックの大会延期が決まって、1年後に向けた準備にスタッフが必要ということで、お声がけいただきました。「僕でいいのか」と戸惑いもありましたが、できることを精一杯やって期待に応えられればとお受けしました。東京パラリンピックでは村外スタッフで、かつ無観客開催で会場にも入れず、NTCでテレビ中継を見ながら、ひたすら映像分析をしていました。

――なるほど。東京パラリンピックでのオリオンJAPANの活躍を陰から支えたお一人だったのですね。では、渡辺さんは?

渡辺:僕は小学校時代のクラスメイトに障害のある子がいて、役に立てたらと思ったのをきっかけに特別支援教育や障害児に興味を持ちました。それから、調べ学習でパラスポーツについて調べたりして、ゴールボールについても早くから知っていました。進学した順天堂大学ではスポーツ健康科学部と医学部の1年生は全員、寮に入るのですが、偶然にも隣の部屋が(現日本代表の佐野)優人(選手)で、すぐに友達になりました。5月の所沢練習会に誘われて、そこで(山口)凌河さんなど強化指定選手たちのすごいプレーを見て衝撃を受けました。それまでは障害のある人は守ってあげなければと思っていましたが、考え方が大きく変わったんです。あの日、凌河さんにおごってもらった油そばの味は生涯忘れられない味です。

――素敵な転機になったのですね! それで、どんどんゴールボールにはまった?

渡辺:はい。順大には以前からゴールボールチームがあり、僕もすぐに入って優人と一緒に活動しました。大会に出たりしていたら、JGBAの方に誘われて東京パラリンピックにボランティアとして関わり、それから少し経った2022年2月から正式に協会スタッフになりました。

――佐野選手と寮の部屋が隣同士だったというのは運命を感じますね。協会のスタッフとして、最初から映像分析班だったのですか。

渡辺:はい。スタッフが足りないということで…。僕もパソコンは得意ではなかったのですが、ゴールボールという競技をよく知っていたので、すんなりと入れました。大学1年から4年まで選手として活動し、卒業後の今も順大時代の友人とチームを作って活動しています。選手の気持ちも分かるところが僕の強みで、プレーを知っているからこその共感能力といった部分はデータのフィードバックにも生かせているかなと思っています。

――それぞれに強みがあり、チームワークの良さを感じます!

■映像分析班としての心がまえ

――映像分析班の活動で、心がけていることはありますか?

栃木:備品をなくさない、壊さないは一番、気をつけています。ごくまれに機器やシステムのエラーで録画が止まっていることもあるので、逐次、確認することも心がけています。

徳永:自分たちが分析した相手国の情報や過去のデータはとくに重要ですね。

栃木:肌身離さず持っています。データはお金を払っても返ってこないので…。

渡辺:機材としてはパソコンにビデオカメラ、あとはロングの三脚が必須です。コート全体を撮影したいので、4.5mの高さまで伸ばすことができます。国際大会では海外チームから注目の的になっています。

――オリオンJAPANがリードしているわけですね! では、情報を分析し、読み解くときに気をつけたり、こだわっているような部分はありますか?

栃木:前提として、大会では戦術ミーティングのやり方が男子チームと女子チームでは違うので、男子は僕、女子は梨沙と担当を分けています。篤郎には僕と梨沙のサポートをしてもらっています。たぶん一番大変かもしれませんね(笑)。

――なるほど、では順番にお聞きします。栃木さん、男子チームに対する情報分析やデータ提供についてお話しください。

栃木:男子の戦術ミーティングでは選手とコーチが話し合い、一緒に方針を立てるので、そのための客観的な材料を提供することが、映像分析班である僕の役割になります。とくに必要とされるのが得点シーンと失点シーンなので、その部分だけを書き出したり、男子はペナルティの数も多いので、重点的に見られるようにデータをまとめますが、僕に委ねられている部分も大きく、特定の選手のプレーの傾向を数値で示すことも多いです。戦術ミーティングでは、「栃木タイム」が設けられています。当日の状況にもよりますが、約15分なので端的に事実としてのデータを伝えることを意識し、自分の主観は極力、入れないようにしています。データ解釈は選手とコーチが主体となって行っているからです。

徳永:そういえば、以前、男子の遠征に私一人で帯同したとき、「梨沙タイム」があって新鮮だったし、緊張した経験があります。

――というと、女子のミーティングは違うのですか?

徳永:女子も事実をありのままに伝える点は同じです。ただ、全部は伝えられませんから、どんな情報を抽出し、選手にどのように伝えるかについて、先にコーチ陣と相談するというプロセスがあります。相談した内容を踏まえて、ミーティングでは基本的に市川さんが選手に伝えます。ただし、たとえば、失点シーンの映像を再生して私が状況説明をし、選手には音で振り返ってもらうというフィードバックも行います。そうして、最終的なデータの解釈はチーム全体で作っていくという形です。

――なるほど、男女で、アプローチの仕方や見るべき視点が少し違うのですね。

栃木:男女の差というより、あくまでも現在のチーム状況に合ったやり方を作り上げた結果だと思います。たとえば、今の男子チームでよく求められるデータは相手の失点シーンです。日本の選手がどんな形で得点できるかを具体的なイメージとして持つための参考になります。男子はロービジョン(弱視)の選手が多いので、映像もグラフなどもそのまま見てもらうことも多いですね。

徳永:女子は得点がどっと入る試合はあまりないので、相手チームの動きに着目してソフトを使うことも多く、ディフェンスのシフト位置などを細かく見ていきます。たとえば、日本の萩原選手の投球シーンだけを抽出し、そのときの相手側の動きを観察します。そこから、「こういう動きをしたら、次はこういう動きが利くのではないか」など細かく戦略を立て、それを全体に周知し、共通認識として持てるようにしています。

――チームに適した方法を取っているということですね。

■さらなる高みを目指す工夫

――では、お二人をサポートしている渡辺さんの動きとは?

渡辺:基本的にはそれぞれの要望や指示に応じて、分析ソフトでデータを抽出しフィードバックするという役割で、二人が少しでも楽になるようにと思ってやっています。ただ、難しさもあって、たとえば、男女で球質が違うので、男子ではグラウンダーと思われるボールでも、女子ではバウンドと判断されたりするので、入力のしかたが異なります。入力によって分析結果も変わってしまうので、悩みどころです。

――球質の判断は人間がやるわけですね。男女ではボールの弾み方も違いますから、たしかに判断は難しそうです。

渡辺:判断基準が統一できればいいのですが、どうしても主観になってしまう部分が大きいので苦労しています。皆で話し合いながら、経験値を積むことが大切ですね。

――他にも難しさを感じている点はありますか?

栃木:情報の伝え方です。自分の話す内容について、あくまでも客観的な情報として端的に、強調しすぎることなく、選手の受け取り方も考慮しながら伝えることを心がけています。また、「栃木タイム」は基本的には約15分なので、まずルーティン化されている情報や工藤コーチからの要望事項を伝え、さらに伝えるべきだと思う情報は予め優先順位をつけて伝えるようにしています。

徳永:今、二人が挙げた点は私も難しさを感じています。とくに女子は全盲の選手が多く言葉により敏感なので、言葉の遣い方や選び方、伝え方はいつも考えています。篤郎が話した球質の判断も難しくて、自分の主観だけで入力すると結果が大きくずれてしまいかねません。だから、できるときはコーチ陣に予め確認したり、ミーティングでデータを発表するときは先に私の判断基準を示すようにしています。

――映像分析班のお仕事はチームの勝敗にも大きく関わる、大変な役割だと改めて分かりました。役割に集中するため、それぞれ気分転換法などはありますか?

栃木:僕は基本的に、平日は仕事をし、休日にゴールボールの合宿に参加していますし、遠征は休暇をもらって参加しています。ほとんどオフがないので、やるべきことはしっかりやり、それ以外は極力エネルギーを使わないように生活しています。

渡辺:体力には自信がありますが、やはり頑張るときと抜くときのメリハリはつけています。ただ、今も選手としてゴールボールをやっているし、修士論文でもゴールボールを重要なテーマとしているなどライフワークともいえるゴールボールに関われることを、今は満喫しています。

徳永:私は大学を卒業し、昨年からJGBAの専任スタッフとなったので、合宿中は毎日、NTCに籠りきりになります。だから、気分転換は大切にしていて、部屋ではアロマデフューザーを使って好きな香でリラックスしたり、夜は好きな映画やドラマを見たりしています。

■手応えややりがいが次への糧に

――映像分析班としての経験の中でやりがいや手ごたえを感じたことを教えてください。

栃木:僕は昨年夏のバーミンガムでのワールドゲームズです。男子は優勝してパリパラリンピック出場を決めましたが、韓国との決勝戦直前のミーティングで、相手の弱点をしっかり確認して対策を練り、選手がそこに投げ切って得点を重ね、7-3で勝ち切りました。縁の下の力持ちというか、選手たちが自信をもって試合に臨むための情報を提供できたのかなと、印象に残っています。

――渡辺さんはいかがですか?

渡辺:合宿で映像を見ながらフィードバックをすると、選手たちがいつも「ありがとう」と言ってくれます。感謝の言葉をちゃんとかけてくれる選手たちは素敵だなと思いますし、そういう選手たちと一緒に活動できることにやりがいを感じています。

――どんなことをフィードバックしているのですか?

渡辺:たとえば、誰がどこからどこに投げ、どう守ったといった内容ですが、選手には「昨日はとれなかったコースに今日は対応できていた」とか、逆に「今日は対応できていなかった」とか。選手自身では気づけない、見えない部分を探して伝えることも自分たちの仕事かなと思っています。

徳永:篤郎のフィードバックは女子選手にも評判がいいんです。「昨日と今日の比較を細かく説明してくれるのは、篤郎だからこそできるフィードバック」だって。

渡辺:え~、初めて知りました。ありがとうございます!

――見えない、見えにくい選手たちにとって客観的な視点から情報を可視化して与えてあげることはとても重要な役割ですね。

渡辺:始めた当初は選手たちがなぜ、こと細かに聞いてくるのかちゃんと理解できていませんでしたが、情報を言語化して伝えることが重要だと気づいてからは小さな情報にも気を配り、伝えるようにしています。ただ、すべてはフィードバックできないので、必要だと思う情報を選んで伝えるようにしています。

――選手の目の代わりをするということですね。徳永さんはいかがですか?

徳永:一番のやりがいは試合後などに選手やコーチからの「ありがとう」や「梨沙の情報が助かった」という言葉です。最近で手応えがあった試合は私もバーミンガムが色濃く残っています。女子は決勝進出までの道のりで準々決勝、準決勝と2回もエクストラスローにもつれました。映像分析班としてペナルティスローの過去データはすべて抽出して準備していましたが、とくにディフェンス面は情報分析が生きる部分です。この時も日本選手が相手の投球コースを読んでボールを止めた瞬間、ベンチから「梨沙ー」ってガッツポーズをして呼んでくれたんです。あの時は、「ここでやってきてよかった」と心から思いました。

――本当にしびれる試合が続きました。どんな情報を伝えていたのです?

徳永:女子は得点チャンスが少ないので、ペナルティスローは絶対に取っておきたいところであり、重要視しています。ミーティングで、対戦国の各選手のペナルティスローでの動きの傾向を伝えました。守備はどのラインで行うか、こちらの初動に対してどんな反応をするかなどです。その情報が日本の選手にとって投げるコースの参考になります。相手のスローではどのコースに投げてくる割合が高いといったデータを示しながら、市川さんやコーチ陣と過去の映像を再確認し、作戦を練っていました。

栃木:女子はペナルティも少ないので、ワンチャンスを仕留めなければという部分も大きいですね。

――男子は違いますか?

栃木:もちろん、男子も得点したいので対策は練っていますが、海外選手は体格の大きい選手も多く、止められることも少なくありません。決められなかったことを気にしすぎると試合の流れにも影響するので、ペナルティスローのとらえ方は女子とは少し違っているかもしれません。

■今後に見据える目標とは

――今年はいよいよパリパラリンピックが開催されます。皆さんの目標を教えてください。

栃木:まずはパリでのメダル獲得に貢献することですね。パリの出場国が出揃ったので、今は各国の分析を進めています。男子チームは皆で話し合って戦略や方針を決められるチームだと思うので、そのための材料をしっかり提供することが今、僕の一番のやらなければいけないこと。「ワンチーム」として戦っていくための準備を今はひたすらやっています。

徳永:私も、まずはパリですね。東京パラも経験しましたが、そこからプラス3年、自分が積み上げてきた経験と修正すべき反省点を踏まえて、パリではもっとチームに貢献したいです。パリが終わったら、積み上げてきた経験をゴールボールの普及活動にもつなげていけたらと思っています。

渡辺:自分はパリには行きません。だから、オリオンJAPANがパリに行くまでに自分がやるべきことをやって、あとは「頑張れ」って送り出したいですし、日本から栃木さん、徳永さんをしっかりバックアップしたいです。また、将来的には僕も普及活動に関わりたいです。自分には障害のある選手と関わったことで障害に対する意識が変化した経験があるので、多くの人にパラスポーツやパラアスリートはこんなにすごいんだぞというのを知ってもらいたいんです。あとは、ゴールボールは今、日本代表とそれ以外の競技力の差が大きく2極化しているので、そこを改善する活動もできればと思っています。

栃木:なんか、僕だけ普及しない人みたい???

渡辺:いやいや、チームが勝つことが大きな普及活動ですから!

――たしかに、「勝つことが普及」です。そのための準備とは?

栃木:過去データはすでに蓄積されていますし、今後、3月には男子はドイツでNations Cupが、女子は横浜でジャパンパラ(3月15日~16日)があるので、ライバルたちの最新データはそこでさらに積み上げられます。直近で対戦できないチームでも、YouTube動画など情報源はあります。

徳永:たとえば、昨年のヨーロッパ選手権はコーチ陣と私は電話でつながりながら、YouTubeのライブ配信で試合を観戦しました。日本とは時差があるので、真夜中でしたが…。

栃木:「情報を集めて分析にかけ、必要なデータを提供する」ことが僕たちの仕事であり、相手がどの国になろうと、やることは変わりません。篤郎にもサポートしてもらいながら、3人で協力してオリオンJAPANの勝利に貢献したいと思っています。

――チームと一緒に戦っている皆さんも応援したいと思います。今日はありがとうございました。

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